仕事が原因でメンタルを病んでしまったら
先日の記事でご紹介しましたが、私は仕事上のストレスでメンタル疾患に至ってしまいました。そんな時皆さんはどのようにされますか?
- 精神力で乗り越える
- 医師にかかり、治療を続けながら仕事を続ける
- 有給休暇などを使ってしばらく静養する
- 思い切って休職する
などがあるかと思います。
が、私は以下の理由で上記の1.と2.はあまりお勧めしません。
メンタル疾患は完治させることが大切
私は長年人事の仕事をしていますので過去に産業医(精神科医)と以下の分析をした事があります。
- 年代別の休職から復職までの期間(回復にかかる期間)
- 年代別のメンタル疾患再発確率
そこで得られた結果ですが、双方とも35歳を境に大きく状況が異なるというものでした。
具体的には回復にかかる期間ですが、35歳未満の方は半年以内に復職可能となる方が多数ですが、35歳以上になると平均8ヶ月以上かかる事がわかりました。
また、35歳未満の方の再発率は低く、35歳以上の方の再発は高確率となります。また、完治しないまま復職された方の再発確率はほぼ100%(完治していないので悪化、という方が正確かもしれません)
ここで言えることは
- 年齢に関わらず完治させる事が重要である
- 35歳以上の方は再発の可能性が非常に高いため、特に完治まで無理をしないことが必要である
という事です。
休職はどうすればできる?
休職を取得するためには二つの要件が必要です。
- 会社の就業規則に休職の制度があること
一般的に正社員を雇用している会社にはおおむね定められていると思いますが、法律的に必須ではないので会社の就業規則をまず確認しましょう。
*休職規程がない方については対処法を後日記載したいと思います。 - 医師の診断書を発行してもらう
「◯◯病、◯ヶ月間の自宅療養が必要」等の記載をしてもらい会社に提出しましょう。
提出された診断書に基づき、会社は規程に従い休職の取り扱いをしてくれます。
(拒否された場合直ちに労基署に相談してください。会社に指導が入ります。)
休職したらどうなるの?
実際休職を取るとどうなるの?次のような心配があるかと思います。
- 休職した後、自分の仕事はどうなるの?
→気にしない! - 休職中の収入は?
→健康保険組合から「傷病手当金」をもらう。 - 復職できなくなる?自分の仕事がなくなる?
→休職期間で健康を取り戻すことに集中しよう!
まず、1.に関してですが、あなたを病にしてしまったのは会社にも多大な責任があるのですから考えないようにしましょう。割り切って休むことが肝心ですね。
2.に関してですが、加入されている健康保険組合により取り扱いが異なりますが、傷病手当金が休職をされた4日目から過去12ヶ月平均給与(標準報酬月額)の66.6%−85%(健康保険組合により異なります)の金額が18ヶ月間支給されます。
なお、傷病手当金は所得税と住民税が非課税となりますので実際の手取りは給与をもらっていた時とあまり変わらない、ということになります。
また、仮に会社の休職期間が終了し、会社を退職したとしても18ヶ月間支給を受け続ける事ができます。
次に3.ですが、こちらの判断は会社側にあり、社員の判断で復職することはできません。
復職には掛かりつけの医師の「復職可能」という診断書が必要になるとともに会社の産業医の復職可能との判断も条件となります。
ですので、休職をして復職を考えている際には休職中に完治することを念頭に置いてください。
復職の取り扱いについては、また別の機会に記事にさせていただきたいと思います。
その他
休職の取り扱いや傷病手当金は会社によりまちまちです。私の知る限り最も手厚い会社は某電機メーカーさんですが、なんと85%の傷病給付金を限度いっぱい18ヶ月貰って復職した後6ヶ月勤務すると権利がリセットされ、再度18ヶ月の傷病給付金が何度でももらえるとの事です。(通常同一疾病18ヶ月限度だと思います。)
お話しした通りこの手当は非課税ですから、85%でると給与の手取りを上回る金額になるそうです!
皆さんの健康保険組合がどのような取り扱いをしているか是非確認してみてくださいね。
まとめ
とにかくメンタルを病んでしまったら完治させる事が肝要です。そのために
- 会社の有給休暇や休職制度を使って完治することをまず考える
- 休んでもしばらく金銭で困ることはない
- 復職するにせよ、新しい人生を歩むにせよ「健康」でなければ始まらない、と考えること。
を提案させていただきます。
これって私自身が先月考えた末に出した結論なので同じ悩みを抱えている人に少し参考にしてもらえればと思っています。
今回はここまで。読んでいただいてありがとうございました。
ではではー!